体臭というと汗のにおいのイメージが強くてつい忘れがちになりますが、お口のにおいもかなり気になるにおいのひとつです。普通は人と向き合ってしゃべっていても、相手の口臭が気になることはないはずですが、口臭がきついと向かい合ってしゃべっているだけでもかなりのにおいを感じます。しかし、自分ではにおいを感じにくいため誰かが指摘してくれるまで気づかないことが多く、なかなか他人も指摘しづらいことから周りを困らせているケースも少なくありません。
口臭の原因はさまざまですが、最も多いのが口の中に雑菌が繁殖していることです。歯磨きが不十分で口の中に残った食べ物のカスなどに雑菌が繁殖していることもありますし、虫歯が原因で口がにおうこともあります。いずれにしても、お口のにおいが気になったらまずは口の中をきれいすることから始めましょう。虫歯は治して毎日の歯磨きを徹底する。歯磨き粉を抗菌作用のあるものに変えたり、歯磨きの後にうがいタイプの抗菌剤を使うのもお勧めです。うがいタイプのものは、液体成分が歯磨きでは届かない部分までしっかり殺菌してくれるというメリットがあります。とはいえ、大きなカスを取り除くのは歯ブラシでこするほうがよいので、うがいだけではダメ。併用するのが口の中を清潔に保つコツだといえます。歯周病も口臭の原因となりますが、そうして毎日しっかり歯磨きをすることは、歯周病の予防や改善にも大変効果的です。口の中を衛生的にしてもまだにおう場合には、内臓が原因である場合もあります。胃や腸の働きに異常があってにおいが上がってきていたり、肝臓や腎臓に問題がある場合にも口臭が現れることもあります。糖尿病や肥満の場合には、口からも甘ったるいにおいがするのが特徴です。
ただし、口臭を気にする日本人の約3割は、実際には口臭がしないのに自分で口が臭いと思い込む「自臭症」だといわれています。もともと清潔さを求める傾向の強い日本人に多い自臭症は、以前口臭を指摘されたことがあったり、においに関して敏感になりすぎている人に多く、歯磨きを何度繰り返しても口のにおいが気になって安心できずにストレスになってしまいます。どうしても気になるようならば口腔外科などを受診し、医師に口臭がないといわれたらそれを信じてみることも大切ですよ。